『令和2年度 福島県当初予算 賛成討論』 |
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2020年 03月 24日
県民連合議員会、椎根健雄です。 会派を代表し、今議会に提出された「知事提出議案第1号令和2年度福島県一般会計予算」につきまして、賛成の立場から意見を述べさせていただきます。 県は、令和2年度当初予算について、台風第19号等による災害からの復旧と一日も早い生活・生業の再建に向けた取組を切れ目なく講じるとともに、復興・創生期間の最終年度となる重要な一年であることから、これまでの挑戦を進化させ、未曽有の複合災害からの復興と福島ならではの地方創生を両輪で進めるため、「福島を未来へつなぐ復興・創生予算」として、総額1兆4,418億円を計上いたしました。これまで積み重ねてきた復興・創生に向けた取組の成果を新たなステージへつなぎ、福島を必ず復興させるという決意が現れた予算であると評価するものであります。 今回の予算の内容を詳しく見てみますと、 まず初めに、歳入につきましては、復興と地方創生に向けた多様かつ膨大な財政需要等に対応するため多額の財源不足が見込まれるなど、財源の確保は厳しいものであったと思われます。 このため、原子力災害等復興基金などの有効活用や、事務事業の見直しに加え、知事が先頭に立って国に対し要望活動等を行うなど、あらゆる方策を講じて歳入の確保に取り組まれており、努力の跡がうかがえます。 震災、原子力災害、さらには台風第19号等による災害からの復旧、復興を着実に進めるため、引き続き、財源の確保にしっかりと取り組むよう強く求めます。 続いて、歳出についてであります。 始めに、台風第19号等による災害への対応として、生活や生業の再建に向けた取組や河川・道路などインフラ施設の復旧、災害防止のための改良を行うとともに、中小企業等に加え大企業が行う減災対策への支援、さらには災害対応や関係機関との連携などの検証による防災力の向上などに取り組むとしています。 台風第19号等による被害は甚大であり、一日も早い復旧と生活・生業再建の実現に、引き続き、全力で取り組むよう強く求めます。 次に、震災、原子力災害からの復興と地方創生の実現に向けた施策につきましては、総合計画の11のプロジェクトを中心に重点的、優先的な予算配分がなされております。 令和2年度は総合計画の最終年度であり、復興と地方創生の実現に向け、令和3年度以降を見据えた大きな流れを創り出していくための重要な一年となります。 それでは、具体的な施策について、重点プロジェクトの区分に従って検証していきます。 まず、「避難地域等復興加速化プロジェクト」、「生活再建支援プロジェクト」に関する施策についてであります。 避難地域の復興は、引き続き、総力を挙げて取り組むべき課題であり、新年度においても被災された方々の生活再建や事業再開に取り組み、復興の拠点づくりへの支援や医療提供体制の確保など、生活環境の整備を着実に進めることとしております。 また、福島イノベーション・コースト構想につきましては、構想の具体化に向けた体制を強化するほか、夏頃開所となる東日本大震災・原子力災害伝承館において、震災と原子力災害の記憶を風化させることのないよう適切な情報発信に取り組むとともに、地域のにぎわいを創出する拠点としてJヴィレッジの利活用を促進する内容となっており、避難地域等の復興の加速化に全力で取り組んでいただきたいと考えます。 次に、「環境回復プロジェクト」に関する施策についてであります。 除染につきましては、除去土壌等の適正管理と早期搬出に向けた予算が確保されており、新年度も引き続き、国、市町村と連携しながら計画的な進捗に努めるよう、強く希望します。 また、喫緊の課題であるイノシシ等の鳥獣被害対策につきましては、市町村等と連携しながら、直接捕獲の拡充に加え、農地への侵入防止や生息環境の管理など、地域の実情に応じた様々な対策を組み合わせた総合的かつ効果的な取組により、被害減少を実感できるようさらなる成果を期待いたします。 次に、「心身の健康を守るプロジェクト」に関する施策についてであります。 健康長寿を推進することは、本県の最重要課題であります。 新年度は、東京大学と連携した健康経営の事業効果の検証や行動経済学を取り入れた健康づくりの実証実験を行うなど、新たな取組も盛り込まれており、「健康長寿ふくしま会議」の下、地域や職場における健康意識の醸成に向けた取組を進め、オールふくしまの体制で強力かつ効果的に進めていくよう要望いたします。 また、奥会津地方における在宅医療と介護の連携を推進するための拠点の設置、令和3年度の開学を目指し、県立医科大学に保健医療従事者養成施設の整備を進めるほか、(仮称)こころの医療センターや宮下病院の整備など、全国に誇れる健康長寿県の実現に向けた取組を総合的に推進していくことが期待されるところであります。 さらに、誰もが活躍できる社会の実現につきましては、芸術文化活動を通した障がい者の社会参加や農福連携による農業分野への就労を促進することとしており、障がい者への理解がより一層深まっていくものと考えます。 次に、「子ども・若者育成プロジェクト」に関する施策についてであります。 教育の充実は、子どもたちが郷土への誇りと自信を持ち、夢の実現に向かって未来を切り拓いていくため極めて重要であります。 新年度は、地域と連携した体験・探究型の学習の推進や、グローバルな人材育成に向けた英語教育等の充実、さらには新しい時代の学びに必要な環境を整えるためのICT環境の整備など、未来を創造し、国内外で活躍する人材を育成する、福島ならではの教育に取り組むこととしております。 これらの施策に加え、県立学校施設の安全・安心を確保するための改修を進めるほか、伊達地区特別支援学校の整備などにより、教育環境の更なる充実が図られるものと考えます。 次に、「農林水産業再生プロジェクト」、「中小企業等復興プロジェクト」、そして「新産業創造プロジェクト」に関する施策であります。 農林水産業につきましては、県オリジナル米「福、笑い」のブランド化やきゅうりなど主要な野菜栽培の施設化を促進し、産地の生産力強化を図ることとしております。 また、女性や高齢者等が働きやすい環境を整えるほか、林業の担い手を育成するための研修拠点の整備を進めることとしており、生産基盤の強化による農林水産業の再生が期待されるところであります。 商工業につきましては、復興・創生期間後においても県内への企業立地を切れ目なく支援するため、県独自の補助金制度を創設するとともに、引き続き、経営基盤の強化を積極的に支援することとしております。 さらに、全面開所となるロボットテストフィールドを活用し、ロボット産業の振興や再生可能エネルギーの普及拡大を図るとともに、救急・災害現場のニーズに対応した医療福祉機器の開発支援や航空宇宙産業の振興など、福島の将来を支える新産業の創造に向けた施策にも力が注がれております。 このように、基幹産業の復興と新産業の創出に向けた事業がしっかりと展開されることにより、産業全体の発展に寄与し、本県の復興・創生が更に前進するものと期待するところであります。 次に、「風評・風化対策プロジェクト」に関する施策であります。 震災から10年目を迎え、根強く残る風評の払拭と風化防止に向け、復興が進む福島の姿がしっかり伝わるよう、熱意を持って丁寧に発信し続けることが重要であります。 新年度は、これまでの本県の復興の歩みと「ふくしまの今」を戦略的に発信していくとともに、イベントの開催による県産品の魅力発信や様々な交流事業を展開するほか、自然公園の一層の魅力向上や観光資源をいかした周遊観光の仕組みづくりなど、観光誘客に取り組むこととしております。 これらの施策により新たに芽生えた共働の取組を風評払拭や交流人口の拡大などにつなげていくよう求めます。 次に、「復興まちづくり・交流ネットワーク基盤強化プロジェクト」に関する施策についてであります。 公共インフラの整備は、避難地域の復興や帰還を進めるとともに、地域の活性化、さらには防災力向上のために必要不可欠なものであります。 このため、ふくしま復興再生道路を始めとする道路網の基盤整備を進めるとともに、台風第19号等による被災状況を踏まえ、県土の強靱化に向けた公共事業の充実が図られております。 また、県民の防災意識を高める環境づくりや福島ロボットテストフィールドを活用したドローンの操作訓練実施による災害対応力向上を図るとしており、引き続き、本県の安全・安心の確保に向けた取組を着実に進めるよう求めるものであります。 次に、「人口減少・高齢化対策プロジェクト」に関する施策についてであります。 新年度は、福島ならではの地方創生を推進するため、「ひと」、「しごと」、「暮らし」、「新しい人の流れ」の4つの基本目標を掲げる次期「ふくしま創生総合戦略」の施策につながるよう事業が構築され、このプロジェクトに今年度を上回る予算が計上されております。復興と並ぶ本県の最重要課題である人口減少対策の推進に向け、知事の積極的な姿勢が感じ取れます。 具体的には、都市部の人材の専門的な知識をいかした県内企業の課題解決や地域資源をいかした新しい働き方や暮らし方の体験など、将来的な移住・定住につながる施策の展開が期待されます。 また、県立医科大学に、令和5年度の開学を目指し助産師養成施設の整備を進めるほか、保育環境の向上や女性の就労支援、県中児童相談所の整備等による子どもを虐待から守る取組など、安心して子どもを産み、育てる環境の整備にも力が注がれております。 福島ならではの地方創生の実現に向け、市町村を始めとする様々な主体と一体となり、これらの施策を推進することを強く希望致します。 最後に、新型コロナウイルス対策についてであります。 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から丸9年。復興に向け着実に歩みを進める中、昨年は台風と大雨により県内は甚大な被害を受けました。その復興途上にある中での、今回の新型コロナウイルス感染症は、県内企業、県民生活にも多大な影響をあたえており、予断を許さない状況にあります。 今後も、正確な情報発信、感染拡大の防止、検査・医療体制の拡充、県内企業への支援、子育て世代への支援など、その状況に応じた対策、対応を行う事を求めます。 県民連合議員会は、知事はじめ当局の皆さん、県民の皆様と共に力を合わせ、これら様々な難局に対し、危機感、スピード感を持って全力で取り組んでまいります。 以上のとおり、知事提出議案第1号令和2年度福島県一般会計予算につきましては、復興と地方創生を実現するための実効性のある予算として、評価できる内容であり、賛成するべきものであります。 議員各位の御賛同を賜りますことをお願い申し上げ、私の討論を終わります。御清聴ありがとうございました。 #
by shiine-takeo
| 2020-03-24 14:19
| 福島県
2020年 03月 18日
新型コロナウイルス感染症に関して、緊急の県補正予算の概要。 主な内容としては、 ・個人向け緊急小口資金の特例貸付 ・医療機関における受入環境の整備 ・県立学校の臨時休業に伴う給食費の負担 ・検査機器の整備 #
by shiine-takeo
| 2020-03-18 17:32
| 福島県
2020年 03月 11日
あの日から9年。 2011年 3月11日(金) 午後2時46分 福島県は未だ4万人近い県民が避難生活を余儀なくされ、汚染水対策・廃炉への長い道のり、根深く残る風評と、進んでいく記憶の風化との戦いの中にあります。 「震災からまだ9年、もう9年。」 私も福島県議会議員の一人として、被災者の一日も早い生活の再建と生業の再生、福島の復興を実現するため、これからも全力で取り組んでまいります。 「震災でお亡くなりになられた御霊の永遠に安らかならんことを、二度と同じ悲しみがくり返されることがないよう、お祈り申し上げます。」 #
by shiine-takeo
| 2020-03-11 15:06
| 福島県
2020年 02月 28日
県議会会派において、知事と教育長へ 要望の内容は、以下のとおりです。 1 的確・迅速な情報発信の徹底と相談窓口の体制強化について #
by shiine-takeo
| 2020-02-28 17:44
| 福島県
2020年 02月 21日
【福島県が進めていた中高一貫校】 県は、令和7年度の開校を目指し、 中通りに設置する方向で検討を重ねていた、中高一貫校。 難関大学や医学部への進学実績や、 今後は教育内容や整備の在り方について、 #
by shiine-takeo
| 2020-02-21 16:53
| 福島県
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