『福島県議会12月定例会 一般質問』 |
平成29年 12月定例会 一般質問
1.はじめに 福島第一原発の廃炉作業についてであります。
震災から6年9ヶ月。
ロボット等による原子炉格納容器内部の調査が進み、7月には3号機において燃料デブリと思われるものが初めて確認され、原子炉圧力容器内にあった装置が損傷した圧力容器の外に落下していることが判明するなど原子炉内部の状況が徐々に明らかになってきています。また、汚染水対策においては8月に全面凍結を開始した凍土遮水壁の温度低下が進み、原子炉建屋への地下水流入量が減少するなど、福島第一原発の廃炉は確実に前進している一方、1・2号機の使用済燃料の取り出し開始が先送りされるなど、廃炉に向けた課題が残されていると考えております。
先月、知事におかれましては、福島第一原発を視察されました。1~4号機を見渡す高台から、各号機の進捗状況を確認するとともに、使用済燃料の取り出しに向けて作業が進められている3号機の原子炉建屋屋上階に登り、ドーム状の屋根カバーやプール内で燃料を輸送容器に移す燃料取扱機の設置状況などを間近で確認されたと聞いております。
そこで、福島第一原発の廃炉作業の現状をどのように捉え、今後の課題をどのように認識しておられるのか、知事の考えをお尋ねします。
2.次に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)についてであります。
2015年に国連で策定された、持続可能な開発目標(SDGs)(エス・ディー・ジーズ)、通称「グローバル・ゴールズ」とは、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に、統合的に取り組み、平和と豊かさを享受するという考え方であり、現在17項目の目標設定があります。日本に関係が深い目標としては、成長や雇用、クリーンエネルギー、イノベーション、省エネ・再エネの循環型社会、女性の活躍、児童虐待の撲滅、健康・長寿などがあります。
政府においては内閣総理大臣を本部長にSDGs推進本部を設置し、「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」の閣議決定において、今後「環境未来都市」構想推進の取組手法を活用し、地域活性化の多様な成功事例の普及展開を通して、地方創生を推進することとしており、地方公共団体におけるSDGs達成に向けた取組を促進するための施策を検討し、方向性を取りまとめるとしております。本県においては、すでに新地町や南相馬市が環境未来都市として選定され、環境問題や人口減少、超高齢化という構造的な課題の解決に向け取り組んでいるところであり、県におきましても、地方創生に向けたSDGsの取り組みを強化していく必要があると考えます。
そこで、地方創生の推進に当たり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)も重要な視点として考慮すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。
3.次に 児童虐待についてであります。
県の児童相談所における児童虐待相談件数は2014年度が394件、2015年度が529件、2016年度に956件と年々増加の一途をたどっています。2015年度より児童の面前でのDV、たとえば父親が子どもの前で配偶者などに暴力を振るう行為を心理的虐待として通告することとされたことが件数増加の要因となっているとのことですが、憂慮すべき状況に変わりはありません。
国においては8月に、昨年の児童福祉法の理念を具体化するため「新しい社会的養育ビジョン」を示しました。ビジョンでは、子どもや家庭を地域で支援するために、市町村におけるソーシャルワーク体制の構築と支援メニューの充実を図り、基本的に社会的養育を必要とする子どもに関しては、在宅で支援することとしています。またその上で、親子分離をせざるを得ない子どもにつきましては、施設ではなく里親を中心とした家庭養育とし、平成32年度までに抜本的に強化するとしています。是非、子どもたちの気持ちに寄り添った支援、県内の体制づくりに取り組んでいただきたく思います。
そこで、県は、児童虐待の防止にどのように取り組んでいるのかお尋ねします。
また、県は、「新しい社会的養育ビジョン」に基づき、社会的養育が必要な子どもに家庭的な養育環境を提供するため、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。
4.次に、温泉を核とした観光誘客についてであります。
福島県は、東に阿武隈高地、西に越後山脈、そして真ん中に奥羽山脈と3本の山脈が南北に走り、地質、気候風土も様々に異なることから、沢山の温泉にも恵まれ、それぞれの温泉の泉質・効能も様々であります。
最近会津地方にある、東山温泉と熱塩温泉へ入る機会がありました。中通りにある磐梯熱海温泉や、岳温泉、土湯温泉とは、また違った泉質であり、温泉街にはそれぞれの特色や歴史、地域の趣も感じることができます。
知事におかれても先日、県旅館ホテル生活衛生同業組合女将会の方々と、本県の観光や温泉を核とした地域の活性化について意見を交換したと聞いております。現在、県が取り組んでいる「福が満開、福のしま。ふくしま秋・冬観光キャンペーン」でも、温泉をテーマにしたイベントが多数行われており、県内外の方が温泉に入り、福島を楽しんで味わっていただくことが、地域の活性化にも繋がる重要な取組と考えます。
そこで、県は、温泉を核とした観光誘客にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
5.次に、観光情報や魅力の発信・プロモーション活動についてであります。
八重洲観光交流館が先月23日に閉館し、今月1日に日本橋ふくしま館に統合されました。
これまで八重洲と日本橋の2カ所体制で取り組んできた県の情報発信機能が、日本橋ふくしま館に統合され、体制強化が図られたところであります。
日本橋ふくしま館は、今後も、県産品の販売に加え、風評払拭や観光誘客が図られるよう、首都圏における本県の情報発信の中心となっていく重要な役割があると考えます。
そこで、県は、日本橋ふくしま館の情報発信の強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
また、農林水産物については、県内外、更には海外に向けても情報発信やトップセールスなどプロモーションが行われています。特に、今年8月には6次化商品の新事業「ふくしま満天堂」が立ち上がり、県内をはじめ首都圏でも6次化商品の販売が行われております。6次化商品は、農業者や加工業者等が工夫を凝らし、知恵を絞って商品開発が行われており、全国で多くの商品が開発されています。このような中で、売れる商品を作って行くには、反応が良かった商品を中心に、県内外に販売先を確立していくことや、質を保ちながら新たな商品開発にも力を入れていくことが重要と考えます。
そこで、県は、新事業「ふくしま満天堂」にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
6.次に、電子マネーの利用拡大への対応についてであります。
携帯電話と電子マネーの融合であるおサイフケータイや、銀行振り込みがネット経由で出来るネットバンキングなど、フィンテックといわれるITを活用した金融サービスが広がりを見せています。
東京都では、動物園や美術館などの公共施設の入場料を、鉄道や商業施設で利用できる、Suica(スイカ)POSMO(パスモ)といった電子マネーで決済できるよう検討中との日本経済新聞社の報道もありました。特に外国人観光客や若者の電子マネー利用率は高く、その対応は必要になってくるものと思われます。
県においても、日本橋ミデッテにおいて電子マネーのサービスを行っておりますが、今後、美術館や博物館といった県有施設においても、県民や旅行客の利便性を高めていくことは重要と考えます。
そこで、県立美術館及び博物館において電子マネー決済ができるようにすべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねします。
7.次に、オープンデータについてであります。
県では、ホームページ内にオープンデータ推進コーナーのサイトをつくり、県のオープンデータとして公表しております。誰もが自由に二次利用できる形式で公開されたオープンデータを使うことにより、地域課題の解決や新たなビジネスの創出などが期待されています。
しかしながら、全国の都道府県が公表しているオープンデータを見ると、データ項目やファイル形式がバラバラで統一性がないため、利活用しづらいことが問題です。その解決に向け、国においてもデータの標準化等の検討が進められていますが、県も利活用しやすいオープンデータの提供について、検討する必要があると思います。
そこで、利活用しやすいオープンデータの提供について、県の考えをお尋ねします。
8.次に、SNS利用による子どもの犯罪被害防止についてであります。
神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかった事件で、県内の女子高生が巻き込まれるという、痛ましい事件がおきてしまいました。若い命が大勢失われたことに対し深い憤りとやるせない気持ちを感じると共に、二度とこのような事件が起きないよう、そして巻き込まれないように取り組んでいくことが大事であります。事件をきっかけに改めて、若者のスマートフォンを利用したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の使い方に関心が高まっております。日本の10代若者に人気のあるSNSは無料通信アプリのLINEとTwitterであります。とても便利なツールである反面、若者に悪意を持って接触を図ろうとする大人がいる危険性を子どもたちにしっかり認識してもらうことと、ルールを持ってどのようにスマホやアプリを活用していくかが重要と考えます。
そこで、県教育委員会は、SNSを利用した犯罪から児童生徒の被害を防止するため、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。
9.次に、警察行政についてであります。
平成22年4月より、重要凶悪事件の公訴時効を廃止・延長する法律が施行されております。
警察では、全国的に公訴時効の廃止・延長に伴い、未解決となっている凶悪事件の解決に向け、ウェブサイトなども活用して情報提供を呼びかけるほか、様々な媒体を活用して、聞き込み捜査に対する協力、事件に関する情報提供等を広く呼びかけていると聞いております。
県内でも未解決凶悪事件に対し、改めて解決に向けた取組を進めることは重要であると考えます。
そこで、未解決の凶悪事件への対応ついて、県警察の考えをお尋ねします。
今年6月に東名高速道路で、あおり運転により家族が巻き込まれる悲惨な死亡事故が発生しました。この事件をきっかけに、今まであまり表に出なかった、あおり運転による事故や傷害のニュースを目にすることが増えました。あおり運転は前方車両に対し車間距離を詰めて道を譲るよう強要する行為や、追い回し、ハイビーム・パッシング・クラクション・幅寄せなどの威嚇行為があります。危険運転の一つに分類されるあおり運転は、死亡事故にも繋がる危険行為であります。県警察においても、あおり運転の通報を受けた際の取締り等を強化することは重要と考えます。
そこで、危険なあおり運転に対する県警察の対応について、お尋ねします。
10.次に、公用車の安全対策についてであります。
県の公用車は震災以降の業務量の増大に伴い、職員の出張の機会も増え、稼働率も高まっていると思われます。また、全庁的に老朽化している印象があり、使用頻度が上がれば走行中のトラブルも懸念されます。
そのため、職員の安全を確保するためにも、老朽化著しい公用車について、購入方式からリース方式に切り替えることも有効であると考えられます。
また、事故が無いことが一番ですが、交通事故の防止や事故後の速やかな検証にも有効と言われているドライブレコーダーの登載も効果的であると考えます。
そこで、公用車の安全対策について、県の考えをお尋ねします。
11.次に、県職員の採用試験についてであります。
6月から始まった県の採用試験も、先週、民間企業等職務経験者と警察官Bの合格発表が終わり、今年度の採用試験は終了しました。新しく県職員になられる皆さまには、県民の皆さまの為に汗をかいていただけることを期待するとともに、私も皆さまと一緒に仕事ができることを楽しみにしております。
時代の変化と共に、求められる人材も多様化している中で、私は、職員の採用に当たり、様々な価値観を理解するとともに、誠実にコミュニケーションをとることができる人物をしっかり評価することが大切であると考えます。
そこで、県人事委員会は、どのような考えの下に今年度の職員採用候補者試験を実施したのかお尋ねします。
12.次に、旧農業総合センター畜産研究所養鶏分場の跡地利用についてであります。
県は、旧農業総合センター畜産研究所養鶏分場を来年9月までに解体する計画と聞いておりますが、当該地は郡山市の中心部に位置しており、昨年11月のふくしま医療機器開発支援センターの開所、本年4月のJR磐越西線郡山富田駅の開業など、周辺環境が大きく変化してきているため、解体後の跡地利用について地域住民の関心が高まってきております。
そこで、旧農業総合センター畜産研究所養鶏分場の跡地利用について、県の考えをお尋ねします。
13.最後に、藤田川の維持管理についてであります。
郡山市内を流れる藤田川は、地域住民による河川愛護会がつくられ、草刈りや清掃などが行われている地域住民に愛された川であります。しかし近年、河川の川底に一部砂が堆積し、木や草が繁茂し、地域住民の力だけでは除去できない部分が目立つようになってきました。積極的に河川敷を清掃して下さっている地域住民のモチベーションを維持すると共に、近年のゲリラ豪雨災害など河川の氾濫を未然に防止する観点からも、県民の安全・安心につながる河川の維持管理は重要な取り組みであると考えます
そこで、県は、藤田川の維持管理にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。