2013年 06月 27日
平成25年6月一般質問 |
一 まず初めに、再生可能エネルギーの推進についてお尋ねいたします。
福島県は原発事故を契機に、脱原発、県内の原子力発電所全機廃炉を掲げております。これは知事をはじめ県議会も同じ思いであります。しかし、毎週のように国の要職の方々が県内各地に入られ、避難者の方々の生の声を聞き、福島県の住民が苦しんでいる姿を直接視察されているにもかかわらず、原発再稼働の話がでてくるというのは、福島県民の私としてはとうてい納得がいかず、理解に苦しむ所であります。福島県は今後もぶれることなく脱原発を進め、世界に先駆けて特に率先し、県民全体で再生可能エネルギーの普及拡大に努め、新生ふくしまを世界へ発信していくべきと考えます。
県においては、復興・再生の牽引役として再生可能エネルギーの飛躍的推進を進める一つの事例として、今年度、福島空港において、県民参加型ファンドを活用した発電事業を実施形成するとしています。本県の空の玄関となる福島空港で、県民と再生可能エネルギーの関わりを深める事業を実施することは、県民や県外からこられた方々に対し、福島のブランドを高め、新生ふくしまをアピールする機会でもあります。また、固定価格買取制度が有利なうちに、この事例を着実な事業化に結び付けられる事を示す事で、県内における県民ファンドの浸透と再生可能エネルギーの導入拡大につながると期待するものであります。再生可能エネルギーの加速度的な普及を目指すには、地域社会による自発的・自立的な参加が欠かせません。
そこで、福島空港メガソーラー事業における県民参加型ファンドについて、県の考えをお尋ねいたします。
また、復興に当たり、再生可能エネルギー先駆けの地を目指し、原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくりを基本理念に掲げる本県は、県営の施設において積極的に再生可能エネルギーを導入し、県民に広く再生可能エネルギーの普及に対する啓発を行うべきと考えます。そこで、県営の復興公営住宅の整備に当たり、積極的に太陽光発電を導入すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
二 次に、未来を担う子どもたちの育成についてお尋ねいたします。
私は、以前、学校法人石川義塾創立120周年記念講演で、なでしこジャパン佐々木則夫監督の講演を拝聴しました。「なでしこらしさとは、ひたむき、芯が強い、明るい、礼儀正しい。この日本人特有の道徳心は世界から見てみると大変すばらしいことがわかる。日本人はもっと自分に自信を持つべき。成功の反対は失敗ではなく、チャレンジしないこと!失敗しながらでも、常に前向きに生きていこう。」との内容で、今の福島県の現状にしっかりと目を向けながらも、夢を持って前向きにチャレンジしていこうというメッセージでありました。子どもたちの目は、講演を聴く前と後では別人のように輝きが変わり、明るく佐々木監督に質問をしていた姿が、つい先日のように思い出されます。
学校生活や日々の家庭生活の中で、子どもたちは多くの場面で大人が形作った世界の中で生活を送っています。そのため、震災や原発事故といった厳しい状況の中でも、子どもたちに夢のある将来像を語り、そして子どもたちが夢を描けるようにすることが大人の使命だと思います。夢を描くことができた子どもたちは、10年後、20年後に必ずや、また次世代に向けて夢を語り、たくましく福島を前向きに前進させてくれると思います。
本県において、様々な団体が佐々木監督のような著名な方から夢を描くきっかけとなるお話を聞く機会や様々な地域の人との交流など、子どもたちの将来につながる取り組みを進めようとしていますが、震災の記憶が風化するのに伴い活動資金の面で厳しい状況にあると聞いています。私は、原発災害という厳しい状況にある福島県だからこそ、子どもたちが夢を描く、夢を支えるための取り組みを手厚く展開するために民間活動を支援すべきと考えます。
そこで、子どもたちが夢を描き成長していくための活動をどのように支援していくのか、県の考えをお尋ねいたします。
また、原発事故以降、県内の子どもたちは生活習慣が異なる状況下での生活を強いられたことや、屋外での運動や遊びが制限されていたこともあり、他県の子どもに比べて体力の低下や肥満の傾向が著しいとの指摘がなされています。未来を担う子どもたちの心身と健康を守ることは、本県の将来の発展に欠かせない最優先課題の一つと言えます。
そこで、子どもたちのスポーツに関わる地域の指導者の養成にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。
また、学校などの教育現場を中心に、体力の向上に積極的に取り組むべきと思いますが、県教育委員会は、児童生徒の体力の向上にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。
三 次に双葉郡内の文化財の保全についてお尋ねいたします。
先日、会派で視察を行った、福島県文化財センター白河館「まほろん」では、原発事故で被害をこうむった双葉町・大熊町・富岡町から文化財レスキューにより救出された文化財の保存や紹介を行っております。これらの品は、代々郷土の人々とともに歩み・守り・伝えられてきた貴重な財産であり、長い道のりがかかる地域の復興においても大変重要な文化財であります。本来であれば国、東電の責任の元、次世代へ繋いでいく為にしっかりとした管理・保存が行われるべきであります。しかし現状は、「まほろん」の仮保管施設において、指定管理者である財団法人福島県文化振興財団が県の委託を受けて保存・管理しているのが現状であります。次世代に責任を持ってこれらの文化財を保存管理する必要があると考えます。そこで、福島県文化財センター白河館の仮保管施設に保管している双葉郡内の文化財の保全について、県教育委員会はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
四 次に、県外避難者への情報提供についてお尋ねいたします。
いまだに5万5千名近い県民が県外に避難している中で、帰還に向けた不安の解消のためには、県外避難者の心をつなぐ取組みとして、健康管理などをはじめとする情報の提供は重要な要素になります。しかし、市町村との関係等から、この情報が十分に県外避難者へ伝わらないケースも多々見受けられます。
現在、県が行っている県民健康管理調査、特に甲状腺検査については、保護者の関心も高く、その情報提供が果たす役割は特に大きいものと考えます。
そこで、県外避難者への甲状腺検査に関する情報提供にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。
五 次に、農業及び県産品の振興についてお尋ねいたします。
県内の農林水産業が未だ厳しい現状にある中で、知事におかれましては、大相撲初場所に続き、5月場所においても直接、優勝力士に福島県知事賞の県産ブランド米「天のつぶ」、福島牛、ふくしま愛情野菜詰め合わせの授与を行うなど、復興に向けた本県の姿や農産物の安全性や魅力を全国に発信し、マスコミにも大きく取り上げられました。風評被害の払拭には中・長期的な視点に立って継続的に情報の発信を行っていく必要があると考えます。例えば、JR秋葉原駅や上野駅における福島フェアや消費者産地モニターツアーは、今後も継続して行う必要があります。また、消費者の安全、安心を感じる基準は個人個人それぞれが違うので、今後も丁寧に農産物に対する安全対策、放射性物質基準値や検査結果等の情報を提供し、消費者の正しい理解と納得に基づく農産物の購入拡大につとめなければいけません。その為にも、知事におかれては、今後も福島県の先頭に立って、積極的に取り組むべきと考えます。
そこで、県産農産物の風評の払拭に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
また、現在、全国の消費者の中には、本県産食品に対する漠然とした放射能への不安をお持ちになり本県産品の購入をとりあえず避けているという方が、少なからずおられます。一方では、たくさんの消費者の方に県産品の応援を頂いております。このような状況下で、風評払拭のためには、本県の農産物や加工食品等の安全対策等に関する正しい情報提供によって消費者の理解を深めるとともに、支援意識の高い消費者に対しては積極的な情報発信を行い、継続的に本県産品を購入していただける「ファン」になっていただくことが大切だと思います。今回、県では、「平成25年度地方消費者行政活性化交付金」を活用し、県産品の消費者理解促進のための新たな事業を行うと伺っています。私は、これは時機を得た取組ではないかと受け止めておりますが、根強い風評が残る中で消費者理解を促進するには、単なる安全性のPRに止まらず、県産品の真の良さが伝わるようなきめ細やかな取組が必要であります。さらに、施策間の連携や部局を跨いだ連携を図ることにより、一層効果をあげることが出来るものと考えます。
そこで、県産品に対する消費者の理解促進のための新たな取組をどのように進めていくのか、県の考えをお尋ねします。
六 次に、本県の環境についてお尋ねいたします。
県が発表しているデータによりますと、現状、飲み水などに放射性物質は検出されておらず、飲料水の安心は確保されております。しかし、県内のアユ、イワナ、ウグイといった川魚は県内の多くの地域で出荷制限がかかるなど依然として厳しい現状が続いております。先日、千葉県内の江戸川で捕獲されたウナギから基準値を超える放射性セシウムが検出された事例など、広範囲におよぶ河川や湖沼の汚染には今後も細心の注意をはらう必要があります。また、原発事故から時間が経過するにつれ、雨や雪解け水などにより、山々から徐々に放射性物質が河川や湖沼へ流れ込んでしまっている現状も県発表のデータよりみえてきております。県民の安心安全の為には、今後も、飲料水、農業用水等の利用も含め、川魚の検査体制の充実と、河川と湖沼におけるしっかりとした汚染状況の情報収集・情報の発信は必要不可欠と考えます。
そこで、放射性物質による河川や湖沼の汚染状況の確認及び情報発信について、県はどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。
原発事故から2年と3ヶ月、避難指示区域の野生動植物においては、震災以降もこの地域で生育し続けております。特にイノシシなど野生動物における放射性物質の影響や、人間がいなくなった事による生態系の変化について、今後、住民の帰還に向けて県が取り組んでいくためには、中長期的に調査、監視等を行い、状況を把握していく必要があると思います。
県は、今後、避難指示区域の野生動植物の状況について、専門機関と連携して中長期的に調査等を行っていくべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
七 次に、インターネット選挙運動の取締りについてお尋ねいたします。
公職選挙法の改正により、次の参議院議員選挙から、インターネットや社内LAN等を利用した選挙運動が解禁となります。
有権者はホームページやブログ、ツイッターやフェイスブック等のSNS、動画共有サービス、動画中継サイト等を利用した選挙運動が可能となり、また、候補者・政党等は、ウェブサイト等及び電子メールを利用した選挙運動が可能となります。
こうした新たな選挙運動の解禁は、若い世代の関心を集められる等多くのメリットもありますが、候補者に対する誹謗中傷やなりすまし、候補者のウェブサイトの改ざん等も懸念されます。
そこで、インターネット等を利用した選挙運動解禁後の選挙違反取締りにどのように取り組むのか、県警察の考えをお尋ねいたします。
八 最後に、ご当地ナンバーについてお尋ねいたします。
県内にはご当地ナンバープレート「会津」があります。報道によりますと、現在郡山市は新市長の下、復興へ向けてのPRということで、ご当地ナンバープレート「郡山」の導入を目指して県を通じ国土交通省へ要望したいとのことであります。
そこで、ご当地ナンバー「郡山」について、県から国への要望の状況と今後の国の手続をお尋ねいたしまして、私の質問を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。
by shiine-takeo
| 2013-06-27 08:28
| 福島県