2012年 06月 29日
6月一般質問 |
6月議会 一般質問
民主・県民連合、郡山市選出の椎根健雄です。昨年11月の県議選において初当選をさせていただき、今定例会で、初めての質問をさせていただきます。
月日の流れは早いもので、あの3.11の震災より、今日ではや474日目となりました。いまだ原発事故の収束は先が見えておらず、その中で、避難生活を余儀なくされておられます皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。これからの福島の元気を取り戻し、子供達の笑顔のためにも、復旧復興に、全力でスピード感をもって取り組む事を、改めてこの場で決意させていただき、福島県議会最年少の議員として、初心忘るべからず、元気いっぱい、早速、質問にはいらさせて頂きます。宜しくお願いします。
まずはじめに、再生可能エネルギーの拡充についてお尋ねいたします。
福島県は、今回の原発事故を契機に、脱原発、県内の原子力発電所、全機廃炉を掲げておりますが、先日、国は、関西電力、大飯原発3号機、4号機の再稼働を決定いたしました。私は、福島県は今後もぶれることなく脱原発をすすめ、世界に先がけて特に率先し、再生可能エネルギーの普及・拡大につとめるべきと考えます。
このような中、本県沖では浮体式の洋上風力発電システムの事業化を目指した、実証研究が予定され、郡山市には産業技術総合研究所を中心とする再生可能エネルギーに関する技術開発・実証を行う研究開発拠点が整備されることが決まりました。また、会津地域では、スマートコミュニティプロジェクトが経済産業省のマスタープラン策定地域として採択を受けるなど、県内各地において再生可能エネルギー関連産業の振興や集積に向けた動きが見られ、今後の地域における雇用の創出、経済の活性化に大きな期待が高まるところであります。
そこで、再生可能エネルギー関連産業の育成と集積に向けて、県はどのように取り組むのかお尋ねいたします。
また、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼る我が国において、原子力を除く自給率はわずか4%にすぎません。一方、自然の力で繰り返し電気を生み出すことができる再生可能エネルギーは、資源の乏しい我が国において、貴重な国産のエネルギー源といえ、この割合を増やすことがきっきんの課題であります。そうしたなか、いよいよ来月、7月1日から再生可能エネルギーの普及・拡大を目的とする固定価格買取制度がスタートします。県は「福島県復興計画」において、「再生可能エネルギーの飛躍的な推進による新たな社会づくり」を目指し、今年度創出した7億円規模の住宅用太陽光補助金など各種施策に取り組んではおりますが、私は、再生可能エネルギーの機運を高め、着実に普及させていくためには、固定価格買取制度の周知などを通じて、広く県民の皆様に再生可能エネルギーの導入を促していくべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
また、遊休地の有効活用等による太陽光発電については、再生可能エネルギーの中でも特に、設置までの期間やコスト面で比較的容易であると思われます。今後、県が「再生可能推進ビジョン」で掲げた、将来的には県内の一次エネルギー需要量の100%相当を再生可能エネルギーでまかなうとする社会の実現に向けて、積極的な支援が必要であると考えております。
そこで、大規模な太陽光発電の導入を推進するため、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、農業の振興についてお尋ねいたします。
私は、新潟大学の農学部出身であり、専攻は稲と大豆、作物学であります。農業を学んできた者として、今回の原発事故による、福島県の農業の現状をみると悔しい、なんとかしなければいけない、との思いでいっぱいであります。例えば、飯館牛の品種ブランドをつくりあげるまでにどれだけの苦労と、試行錯誤があったか。何年も何十年も多くの方が人生をかけて行ってきたものが、あの日、あの一瞬で無くなってしまいました。私は震災前、飯館の方々と飯館牛を中心とした食事会に参加した事があります。あの美味しかった飯館牛、そして、あの誇らしげに飯館牛の話をしていた農家の方々の笑顔は今でも忘れられません。
また。風評被害で先行きが見えない農林水産業においては、後継者不足がますます深刻です。今回の震災、放射能問題を契機に、後継ぎを断念された方も多々いらっしゃいます。しかし、今回の原発事故を経験したからこそ感じるのであろう、放射能になんて負けないで頑張り続けている若者も、まだまだ沢山いらっしゃいます。今回の原発事故で受けた傷はなんとしても回復し、この頑張る若者の思いを、未来へと繋いでいかなければなりません。そのためにも、世界に先駆ける農林水産業の放射能研究機関として、県内大学に農学部、水産学部の設置は欠かせないものと考えます。矢吹町には農業短期大学校、私の地元郡山市日和田町には農業総合センター、いわき市には水産試験場という県の施設もありますが、県内の4年生大学には農学部、水産学部がありません。周りの他県には、国立大に農学部が設置されております。教育や研究は農業と一緒で、すぐに結果がでてくるものではありません。10年、15年先の福島県の未来を考えた時、若者の育成、放射能の除染技術等の研究、対策が今こそ必要と考えます。
そこで、農林水産業の放射能問題に対応した研究のために、県内に大学の農学部や水産学部の設置が必要と思うが、県の考えを尋ねいたします。
県は震災以降、放射性物質の除去・低減技術に関する研究開発を行い、農地における放射性物質の分布状況や、農作物への移行調査等に取組み、その成果は、去る3月に郡山市で開催された国際シンポジウムにおいて数多くの発表がされたと聞いております。
また、植物への放射性セシウムの吸収抑制効果を調べた試験において、ナラの灰を混ぜこんだ土壌で、コマツナを栽培した場合、セシウム吸収が12分の1、EM菌を混ぜ込んだ堆肥で栽培した場合で9分の1に、セシウム濃度の移行係数が下がったとのデータを公表しました。これは現在とられている、塩化カリウムを混ぜ込んで栽培する手法より、より大きな吸収抑制効果があることを示しています。
今後も安心、安全な農作物の生産には、放射性物質除去・低減技術の開発において、県がはたすべき役割は非常に大きなものがあると考えております。そこで、これまでに得られた結果をもとに、県は、農業分野における放射性物質除去・低減技術の研究開発について、どのように取組んでいるのかお尋ねいたします。
次に河川、湖沼の汚染状況についてであります。
県が発表しているデータによりますと、現状、飲み水などに放射性物質は検出されておらず、飲料水の安心は確保されております。しかし、雨や雪解け水などにより、原発事故から時間が経過するにつれ、徐々に放射性物質が河川や湖沼へ流れ込んでしまっている現状もデータよりみえてきています。今後も、飲料水、農業用水等の利用も含め、河川と湖沼におけるしっかりとした汚染状況の情報収集は必要となってくると考えます。
そこで、県は放射性物質による河川や湖沼の汚染状況の確認について、どのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。
次に地域の振興についてお尋ねいたします。
原発事故の風評被害まっただ中にある福島県において、放射能が足枷となっている地元企業が震災前と同じ条件で、他県の企業と競争をしていくというのは、非常に厳しい現状があります。そのなかで復興特区制度は、県内企業が様々な税制上の特例措置が受けながら、被災地における投資や雇用の維持ができるだろうと期待の大きかった制度でありました。震災により経営基盤の弱まった県内企業において、法人税の減税は期待の大きいところであります。
しかし、国は、新設企業の法人税を5年間無税とする特例を認めておりますが、県内でがんばる企業には適用されにくいのが現状ではないでしょうか。
今、必要なのは、震災以降もこの地で根を張り頑張り続けている福島県の地元企業の救済であると私は考えます。そこで、県内企業の復興のため、税制面での更なる優遇措置などによる総合的な支援が必要であると思いますが、知事の考えをお聞かせ下さい。
次に「ふるさとの祭り2012」であります。10月27日、28日、郡山市と会津若松市を会場として「地域伝統芸能 全国大会福島大会 ふるさとの祭り2012」が行われます。テーマは「まつりが結ぶ ふるさとの絆」。目標来場者数は4万人を目指すということで、全国へ向けた福島県のピーアール、福島県への観光誘客促進にも寄与するものとして、大変期待が高まっております。また、来年からは、いよいよNHKの大河ドラマ、「八重の桜」の放映が始まり、これからの新生福島及び福島県の歴史と伝統をピーアールする活動が始まっていきます。
そこで、「ふるさとの祭り2012」の開催をどのように県の復興にいかしていくのか、県の考えをお尋ねいたします。
次に、医療体制の整備、県民の安心についてお尋ねいたします。
原発事故以降、浜通りの交通は南北に分断され、以前のような救急医療体制が組めない状況が続いている中で、郡山市の医療機関においては、浜通りから緊急搬送されてくる患者さんの数が後を絶たないと聞いております。その中で、あと20分早く搬送させてくれば、もしくは、近くに手術ができる救急病院があれば、後遺症は残らなかったかもしれない、救えた命だったのかもしれない、という声もあるのが現状です。今回の大震災により、本県の医療は大きな被害をうけました。浜通りの医療体制の充実が急務です。ですが、体制が整うまでは、今あるなかで最善の方法をとっていくしかありません。そこで、救える命を救うためにドクターヘリは有効だと思います。医師不足が叫ばれ、まして交通網が分断され、全国で3番目に広い福島県をカバーするのにドクターヘリが県内1機の現状では救急医療対応は難しいのではないかと思います。現在、県は、ドクターヘリのヘリポートをつくる事業に補助をだしており、これからヘリポートを備えた医療施設が増えてくると思われます。
そこで、救命率の向上を図るため、ドクターヘリを増やすべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。
次に、10月から始まる18歳以下の県民の医療費無料化は、子育てしやすい福島県を目指す上で、若いお母さんを中心とした県民の関心が非常に高い制度であります。現在、子どもに対し各市町村が異なる助成制度を持っておりますので、支障が生じないように連携を取りながら進めていくことが重要であります。県は、18歳以下の県民の医療費無料化の実施に向けて、市町村との連携をどのように図っていくのかお尋ねいたします。
原発事故以降、県はホールボディカウンター検査など、放射線に対する県民の安心の確保に、取り組んできてはおりますが、依然として将来の健康に対する不安は払拭されておりません。
県も、今年度を、「活力と笑顔あふれるふくしまを築くための復興元年」と位置づけておりますが、健康を守っていくために必要である、がん検診の受診率は、低く低迷しております。
そこで、県民が気軽に受診しやすい環境づくりなどを通じ、がん検診の受診率向上に、県はどのように取り組んでいく考えなのかお尋ねいたします。
次に、防災、被災者支援についてお尋ねいたします。
今なお、山形県には福島県より1万3千名近くの方々が避難されておられます。先月、山形市内に、避難先で頑張る、福島のお母さんと子どもを支援する「ふくしま未来子供ひろば」が開所され、民主・県民連合議員会のメンバーでオープニングセレモニーに参加してきました。利用者の方々の声を聞いてみますと、お父さんは福島で仕事をし、お母さんと子どもは山形へという母子避難の方々がほとんどだそうです。そういった状況のなかで、お母さんたちからは、身寄りのない土地での、母一人の子育ては苦労が絶えず、情報交換の場として、又、子供を安心して一時預けられる場所として、このような場ができたことは、精神的、肉体的にも大変ありがたいです。という声をいただいてまいりました。
また、知事と直接お話しがしてみたい、私たちの声を聞いていただきたい、というお母さんの声が多かった中で、知事におかれましても、先月、山形県を訪問され、山形県知事への表敬や、避難されている県民の方などと意見交換を行っていただき、生の声を直接聞いていただいたことは、これからの帰還に向けた課題の確認と、情報の発信という意味で大変よかったと思います。
そこで、本県の復興に向けて、県外避難者の思いや要望などを聞いていくことが重要であると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
また、県外避難者に対して、今後どのように情報発信をしていくのか、県の考えをお尋ねいたします。
次に、スマートインターチェンジについてであります。郡山市の大槻町は人口約31,000人の市内でも大きな町です。大槻町には、自衛隊の郡山駐屯地があり、第六特科連隊等、約1,200名が任務にあたっております。今回の大震災においても、郡山駐屯地は災害救助物資輸送の最前線基地、全国から集まった災害救助に向かう自衛隊員の前線基地として大きな役割をはたしました。今でも感謝と敬意でいっぱいであります。また、現在その近くには富岡町の仮役場も設置されております。自衛隊の駐屯地近くには高速道路がはしっておりますが、インターチェンジはありませんので、高速道路を利用した輸送には、インターチェンジを降りてからの時間的ロスがありました。郡山市市街地西部における交通利便性の向上、及び災害時における緊急輸送路へのアクセスの向上、また現在避難されている方の利便性を考えますと、郡山インターチェンジと郡山南インターチェンジの間に、スマートインターチェンジを設置してはどうかと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
これで、私の初陣となります一般質問を終了致します。ご清聴ありがとうございました。
by shiine-takeo
| 2012-06-29 23:41